≪―――――・・・僕達は、今日で卒業します!お世話になった先生方、これまで見届けてくれた・・・・≫

 

 

 

 

 

 

3月9日、雷門中では卒業式が行われていた。

長い卒業式もやがて終わり、体育館裏に呼び出された円堂。

呼び出した相手は、風丸。

話があるから、と。桜吹雪を、ぼんやりと見つめながら円堂は待っていた。

 

 

「・・・・・・円堂、待たせたな。」

「おぉ、風丸か!」

「はは、悪い悪い!待たせたな」

 

 

どこかギコチナイ雰囲気、円堂は、なんとなく気づいていた。

卒業式で、体育館裏に呼び出しなんて、ベタだけど告白以外にあるだろうか。

桜のせいなのか、はたまた違うのか、風丸の頬も淡いピンク色に染まっていた。

 

 

「それで?話ってなんだよ?」

「あ、あぁ・・・あのな」

「・・・。」

 

 

さぁぁ、と音を立てて舞う桜。

円堂は、まっすぐ風丸を見つめる。

すぅ、と息を吸い、間をおいて、ゆっくりと風丸は口を開いた。

 

 

「おれ、俺な」

「うん」

「実は、ずっと前から、さ。」

「うん」

 

 

一言、一言で徐々に頬や耳が淡いピンク色より次第に色濃くなっていく。

恥ずかしいのか、緊張しているのか、風丸は口をもごもごしている。

 

 

「お前には、その・・・言わないでおこうと思ってたけど」

「うん」

「やっぱ、り・・・言いたくて・・・俺、お、おお、おれ」

「風丸」

 

 

ぼろぼろと、きれいな真紅の瞳から雫がこぼれ落ちるのを見て

それを指で拭い、名前を呼ぶと、風丸がきょとん、とした瞳で円堂を見た。

そんな風丸に、円堂は微笑むと、額に優しくキスを落とした。

 

 

「・・・・え、」

「・・・泣くなよ、風丸」

「えん、どう・・・」

「風丸、今度は俺の話も聞いてくれよ」

「・・・?」

 

 

円堂は、目を閉じてぽつり、ぽつりと話し始めた。

 

 

「あのな、俺、サッカーの練習の時も、帰るときも、朝学校に登校するときも、ずーっと目が離せなかった」

「・・・・・・え、」

「・・・笑顔が眩しくて、試合中でさえ、ずっと考えっぱなしで」

「えんど・・・」

「・・・うん、名前を呼んでもらうたびに、俺、すっげー嬉しくて」

「・・・・・・それって、」

「ああ、言おうと思ってたんだ俺も。いつか、気付いてくれるかなって・・・言わなきゃ、伝わらねぇのに」

 

 

す、と風丸に近寄り、にこっと笑う。

 

 

「・・・なあ、風丸。俺の勘違いじゃなければ、風丸も俺と同じなのかなって思うんだけどよ」

「うん」

「俺、風丸のこと、ずっと好きだったんだ」

「・・・・・・っ、うん」

 

 

また、風丸は俯いて、今度は肩を震わせている。

地面に、雨が降っていないのにぽたぽたと雫が落ちる。

 

 

「なあ、風丸・・・お前は?」

「・・・・・・・・・・ぐす、・・・・う゛ん・・・っ、おれ、も・・・円堂が、す、き・・・っ」

 

 

そう言ってうれしそうに笑う風丸を抱き上げ、

今度は、唇にそっとキスを落とす。

 

 

 

「風丸・・・俺と付き合ってくれ」

「・・・・・・・・っ、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

卒業式
 (終わりの始まり)

 

 

 

 

 

 



おまけ

「あ、なんか、俺が告白しちまったな!!ごめんな、風丸がしようと思ってたのに」

「うん、それはもういいや、結果オーライだし(・・・ていうか、空気読んでくれよ(恥))」